東京高等裁判所 昭和41年(ネ)2713号・昭41年(ネ)2854号 判決
弁論の全趣旨により成立の真正が認められる甲第一五〇号証と本件記録、弁論の全趣旨によると、第一審被告が原判決に対して控訴(昭和四一年(ネ)第二七一三号)に及んだので第一審原告らは原判決で認容された損害賠償請求権を守るために昭和四一年一二月一七日東京弁護士会会員坂根徳博に右控訴事件を委任したこと、その際第一審原告らは同弁護士に対し、その手数料、謝金として依頼の目的を達した金額につき、同弁護士会報酬規定の最低額の料率の金員を依頼の目的達成のときに支払う旨約束したこと、右最低料率は目的価額又は受ける利益の価額の各八分であることが認められる。そして理由三で前述したとおり第一審被告の控訴は棄却されるべきことになるので、右委任の目的は本判決言渡しのときに達成されることになるのである。したがつて原判決認容額(但し弁護士費用として認容された額を除く)の各八分、即ち第一審原告郁郎につき手数料、謝金ともに各金三〇万八、八〇〇円計金六一万七、六〇〇円、同皐月につき各金一万六、〇〇〇円計金三万二、〇〇〇円となるのであることが明らかである。よつて第一審原告らは同額の報酬金債務を同弁護士に本判決言渡しの日を弁済期として負担することとなつたのであり、本件事案の内容、当審における訴訟の経過(第一審原告らは原判決中同人ら敗訴部分については右坂根弁護士に委任して第一審被告の控訴とは別に、当審昭和四一年(ネ)第二八五四号事件により控訴し、その控訴は棄却さるべきものであること前記のとおりであるが、右両事件は併合審理され、訴訟資料はすべて両事件に共通であり、同弁護士の訴訟行為もすべて両事件のためになされていた)等にかんがみ、第一審被告に対し、第一審原告郁郎の支払うべき報酬金のうち金二〇万円、同皐月につき金一万円をそれぞれ賠償せしめることを相当とする。
(川添利 荒木 田尾)